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よくある質問
Q 「オーラルヒストリー」って何ですか?
Oral(口頭の、口述の)History(歴史)は、平たく言うと、聞き手に対して、個人の過去の記憶をお話いただき、それを記録する、という活動です。公的な記録ではなく、あくまで個人の歴史です。ですから、歴史を正確に伝えるということに主眼を置くのではなく、公的な書籍(教科書や文献)に掲載されることの少ない、個々人の記憶にフォーカスしていきます。
私たちは、「一般市民の生活の記憶」を主に動画で記録する、ということに主眼をおいています。
Q オーラルヒストリーを活用するメリットは何ですか?
たくさんあります。ブログなどでもお伝えしたいと思いますが、簡単にご説明しますと……
1 お年寄りが元気になる
脳科学や医療的見地から言われているのは、人間は過去の記憶を思い出そうとするとき、脳が活性化する、ということです。認知症予防にも効果的と言われています。そして、私の経験上でも言えることですが、特に楽しかった記憶を他人に話すとき、声が変わります。口調も変わります。音量も変わります。笑顔も増えます。これらはとてもいいことです。
コロナ禍で家にいる時間が多くなっていると言われています。それは働く人たちばかりでなく、リタイヤしたお年寄りも同じこと。コーラスが活動休止になり、密を気にしてなかなかお友達と会うこともできないというお年寄りも増えています。ぜひ、昔の楽しい思い出などをきいてあげてください! きっと元気になると思います。
2 話し手と聞き手の関係が変わる
お年寄りに限らずある程度年配の方々はいろんな人生経験を重ねています。自分の「父・母」「祖父母」「先生」「近所のおじちゃん」という立場の関係を超えて耳を傾けると、「へぇ~、そんな仕事してたの!」「聴いてた音楽が一緒じゃん!」「あのまちにくらしたことがあるの?」「すごい経験してきたんだね!」といくつもの発見がありますよね。その瞬間、「人生の大先輩」「自分の好きな音楽をリアルタイムで聴いていた貴重な存在」「時代の先駆者」「地域のためにがんばってきたずごい人」というふうにイメージが変わりますよね。それがきっかけいなって仲良くなったり、なにか一緒に行動する用になったり、互いをリスペクトしたり一目置いたり……というように関係性がよりよく変化することもあります。
3 地域への理解が深まる、地域愛・郷土愛が芽生える
最近はどのまちも似たような見た目になってきました。しかし、生活風景はその土地の風土や歴史のうえに成り立っていますから、ちょっと掘り下げてみると、その地域ならではの「個性」が必ず見つかります。また、古くから継承されてきた文化・伝統・慣習もその土地ならではの進化を遂げていることも多いようです。新しくその土地に移り住んだ方々も、そのまちの「個性」を知ることで、まちの見方が変わったり、愛着が湧いてきたりするものです。
4 世代間交流、新旧住民同士の交流が始まる・深まる
当法人理事・源が参画した「佃島・月島百景」では、年に何回か、記録したオーラルヒストリーを上映しています。年度末の活動報告会の場では、芝浦工大・志村教授の講演や、学生さんにも手伝ってもらって意見交換会も実施しています。「この動画をどうPRすればいいか」「どう活用していけばいいか」、そして、「このまちをどういうまちにしたいか?」といったテーマで、そこに長く暮らしてきた方(いわゆる旧住民)と新しくまちに移り住んだ方(いわゆる新住民)、さらに、佃島・月島に関心のあるよその土地の人たちが入り混じって意見交換してくださいます。「このプロセス自体が新たなコミュニティになっている」という評価もいただきました。
もちろん、町会活動の一環として、新築マンションの交流の一環として、地域のオーラルヒストリーをきっかけにした交流が促進されることが期待できます。
その他、まだまだたくさんありますが、これからのまちづくり・コミュニティづくりのために、さまざまな面でオーラルヒストリーを活用できます。当法人は、コツコツとインタビュー収録を進めていきますが、その活用方法は無限大! です。ぜひ興味のある方はご連絡ください。
Q 昔のまちの写真が家にあります。提供できますか?
ぜひ提供してください! ご家庭に眠っている昔の写真は、貴重な記録資料です。
写真がお借りできたら、当方にてスキャニング(画像データ化)し、当ホームページ等に掲載させていただきます。
できれば、その写真の説明文(キャプション)も一緒にいただけるとさらにわかりやすい資料になります。
Q 自分で撮影した動画を提供できますか?
ぜひ提供してください! ご両親や祖父母などへのインタビュー動画、お待ちしております。
掲載については、一般の視聴者にわかりやすいものになっているか? また、他社を誹謗中傷するものになっていないか? など、いくつかのチェックと検討を経て、当ホームページ等に掲載させていただきます(基本的に公開が前提です)。
もし、こうした活動に興味があり、これから取り組んでみたい! という方は、一度ご連絡ください。お手持ちの機材に沿った、よりベターな収録方法をお教えします。
また、聞き手にはいくつか意識していただきたいことがあります。例えば、「話し手の声に自分の声をかぶせない」「相づちはなるべく声に出さない」といったことです。
これらをちょっと意識するだけで、視聴者にとってとても見やすい動画になります。
Q 動画じゃなきゃだめなの? 音声を録音したものや、文章にしたものは提供できないの?
「聞き書き」ボランティアをされている方はたくさんいらっしゃいます。しかし、非公開を前提にしている場合も多いようです。もし、公開してもよいものがありましたら、ぜひご連絡ください。
私たちが動画収録を基本に置いているのは、動画の特質として、話し手の声や表情を同時に記録することができ、まぎれもなくご本人が話している内容をダイレクトにお伝えすることができるからです。しかし、中には「写真はイヤ。ビデオはもっとイヤ」「見ず知らずに人には話したくない」という方もいらっしゃることでしょう。そういう場合はぜひお話を記録し、なるべく話し手ご本人の気持ちを汲んでいただき、記録者の意図や思い込みをなるべく避けた形で文章に綴っていただければ幸いです。
もしこれからやってみようかという方がいらっしゃれば、特に音声の録音については、動画収録と同様、いくつか意識してもらいたい点があります。ぜひご連絡ください。